「のこしたい一枚」フォトコンテスト |
📱 スマートフォンで見る |
作成日 | 2011 / 04 / 01 | 公開終了日 | 無期限 | イベントの期間 | --- |
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管理者 | 3rd_anniversaryさん | 写真の枚数 | 542 / 2000枚 |
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作成日 | 2011 / 04 / 01 | 公開終了日 | 無期限 | イベントの期間 | --- |
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管理者 | 3rd_anniversaryさん | 写真の枚数 | 542 / 2000枚 |
私が演奏会でドヴォルザークの「家路」を弾いている時だった。
私は祖父の危篤を知りながら、音楽を選び最後まで演奏した。
祖父のそばへ帰りたい、帰りたい、と思いながら。
祖父は絵描きであったが、音楽にも長けていて、私にピアノを教えてくれた。
二人で使うピアノは祖父の家の日当たりの良い部屋にあり、
祖父が手入れした庭の緑がピアノに反射し、私たちの気持ちに呼応するかのように部屋を一層明るくする。
私たちがピアノを弾くと祖母や親戚たちが集まり、歌ったり踊ったりと賑やかになる。
二人きりの時は、祖父が隣の部屋で鼻歌を歌いながら絵を描き始める。
いつしか、私の指は祖父よりも動くようになったが、
自由気ままおおらかに、深呼吸をするかのように鍵盤の上で指を躍らせる祖父を私は忘れない。
いつまでも残したい、忘れられない愛すべき光景なのである。